ご相談の多い症状・病気
長引くセキ
子どもの長引く咳の原因と考えられる病気は?
咳(セキ)は、体が喉や気管支に入った異物を排出しようとする自然な反応です。風邪をひいたときなどに咳が出るのはよくあることですが、咳が長引くときは、別の原因や病気が隠れていることがあります。
子どもの長引く咳の原因や考えられる病気について紹介します。
風邪
ウイルスが原因で起こる病気です。風邪をひくと、咳が出ることがありますが、通常は1週間から10日ほどで治ります。しかし、風邪の後に咳だけが長く続くことがあります。これは、風邪が治った後も気道が敏感になっているためです。
気管支炎
気管支が炎症を起こす病気です。風邪が原因で起こることが多く、咳が2〜3週間以上続くことがあります。痰(たん)を伴うことが多く、特に朝や夜に咳がひどくなることがあります。
喘息(ぜんそく)
喘息は、気道が炎症を起こしやすくなり、狭くなったりする病気です。喘息の子どもは、夜や運動した後に咳が出やすくなります。息苦しさやヒューヒューという音が聞こえることもあります。喘息の咳は長引くことが多く、薬でコントロールすることが必要です。
アレルギー
アレルギーは、花粉やホコリ、ペットの毛などに対する体の過敏反応です。アレルギー性鼻炎やアレルギー性気管支炎が原因で咳が続くことがあります。アレルギーが原因の場合、目のかゆみや鼻水も一緒に見られることが多いです。
副鼻腔炎(ふくびくうえん)
副鼻腔炎は、鼻の奥にある副鼻腔という空洞が炎症を起こす病気です。鼻水が喉に流れ込む(後鼻漏:こうびろう)ことで、咳が出ることがあります。特に夜間や横になったときに咳がひどくなることがあります。
百日咳(ひゃくにちぜき)
百日咳は、細菌が原因で起こる病気で、特に小さな子どもに多く見られます。強い咳発作が特徴で、咳が続くと息を吸い込むときに「ヒュー」という音がします。ワクチン接種で予防できる病気ですが、ワクチンを受けていない子どもや接種後の効果が弱くなった場合にかかることがあります。
子どもの咳が長引くときに注意すること
適度な水分補給を心がけましょう。水分をしっかりと摂ることで、気道の粘膜を保護し、痰を出しやすくします。
咳が2週間以上続く場合や、夜間に特にひどい場合は、小児科医に相談しましょう。医師が診察し、適切な検査を行って原因を探ります。医師の指示に従って、必要な薬を使用します。喘息の場合は吸入薬、アレルギーの場合は抗アレルギー薬などが処方されることがあります。
アレルギーが原因の場合は、部屋を清潔に保ち、ホコリや花粉を避けるようにします。ペットの毛や煙も避けるようにしましょう。
くり返す発熱
熱が上がっては下がってを繰り返すのはなぜ?
発熱は、体が病気と戦っているサインです。体の中の免疫システムが、細菌やウイルスと戦うために体温を上げることで、ばい菌をやっつけようとします。しばらく安静にして症状が落ち着く場合がほとんどですが、何度も発熱を繰り返すと心配になりますよね。
子どもが発熱を繰り返すときに考えられる原因や病気について紹介します。
風邪
ウイルスが原因で起こる病気です。風邪をひくと、熱が出たり、咳や鼻水が出たりします。 特に寒い季節になると、風邪をひくことが多くなります。風邪のウイルスにはたくさんの種類があり、何度も感染することがあります。幼稚園・保育園や小学校で感染することも多いので、注意しましょう。
扁桃炎(へんとうえん)
扁桃炎は、喉の奥にある扁桃(へんとう)が炎症を起こす病気です。細菌やウイルスが原因で、特に子どもによく見られます。喉が痛くなり、飲み込みにくくなり、発熱が続くことがあります。
また、PFAPA症候群と呼ばれる免疫の異常でおこる病気も、
中耳炎(ちゅうじえん)
中耳炎は耳の奥の中耳という部分が炎症を起こす病気です。風邪や鼻の病気が原因で中耳炎になることがあります。耳が痛くなり、発熱が続くことがあります。特に小さな子どもに多いです。
胃腸炎(いちょうえん)
胃腸炎は、ウイルスや細菌が原因で胃や腸が炎症を起こす病気です。お腹が痛くなり、下痢や嘔吐、発熱が続くことがあります。特にロタウイルスやノロウイルスが原因の場合が多いです。
アレルギー
体が特定の物質に対して過敏に反応することをアレルギーといいます。子どもに多いのは、食物アレルギーや花粉症です。アレルギー反応がひどくなると発熱を引き起こすことがあります。
自己免疫疾患(じこめんえきしっかん)
体の免疫システムが自分自身の体を攻撃してしまう病気を、自己免疫疾患といいます。こうした病気の一つに「若年性関節リウマチ」などがあります。発症年齢のピークは1~5歳ですが、小児期を通じて発症します。これらの病気が原因で、発熱が繰り返されることがあります。
子どもが発熱を繰り返すときに注意すること
十分な休養と水分補給
十分な休養をとり、水分をこまめに補給します。水やスポーツドリンクがおすすめです。
体温管理
体温をこまめに測り、38.5度以上の高熱が続いて辛そうなときは解熱剤を使用することも考えましょう。
清潔を保つ
手洗いやうがいをこまめに行い、清潔を保つようにしましょう。これにより感染を防ぐことができます。
いつもと様子が違うと思ったら、一度、受診を
発熱が続く場合や、症状が悪化する場合は、早めに病院で診てもらいましょう。
特に、
- ぐったりしている
- 意識がぼんやりしている
- 呼吸が苦しそう
などの症状があるときは、すぐに医師に相談しましょう。
下痢・嘔吐
突然の下痢・嘔吐、考えられる原因は?
下痢(げり)や嘔吐(おうと)は、お腹の中の問題や、食べたものが体に合わなかったときに起こる症状です。お腹が痛くなったり、吐いてしまったり、何度もトイレに行きたくなったりします。これらの症状にはいくつかの原因があり、それぞれに対処法があります。
ウイルス性胃腸炎
ノロウイルスやロタウイルスなどのウイルスが原因で起こる病気です。この病気はとても感染しやすく、学校や保育園で広がることがあります。ウイルス性胃腸炎になると、突然の嘔吐や水のような下痢が始まり、お腹が痛くなることがあります。発熱や倦怠感(けんたいかん)も伴うことがあります。
食中毒(しょくちゅうどく)
食べ物や飲み物に含まれる細菌やウイルス、毒素が原因で起こる病気です。例えば、サルモネラ菌やカンピロバクターなどが代表的な原因菌です。食中毒になると、食べてから数時間後に嘔吐や下痢、腹痛が起こります。原因となる食べ物を特定し、今後の予防が大切です。
アレルギー反応
特定の食べ物を食べたときに体が過敏に反応してしまう状態を食物アレルギーといいます。アレルギー反応には、皮膚のかゆみや発疹(ほっしん)、呼吸困難などの症状がありますが、嘔吐や下痢もよく見られます。アレルギーが疑われる場合は、どの食べ物が原因かを調べ、避けることが重要です。
感染症(かんせんしょう)
細菌やウイルスによる感染症も、下痢や嘔吐の原因となります。例えば、腸炎や膀胱炎(ぼうこうえん)などです。感染症になると、他にも発熱や疲れやすさ、全身の不快感が現れることがあります。
ストレスや緊張
ストレスや緊張をきっかけに、下痢や嘔吐の症状がでることがあります。例えば、テストの前や新しい学校に行く前など、心配事やプレッシャーを感じると、お腹の調子が悪くなることがあります。
子どもが下痢や嘔吐をしているときのホームケア
- 水分補給
下痢や嘔吐で体の水分が失われるため、少しずつこまめに水やスポーツドリンクを飲ませてあげましょう。 - 休養
とにかく安静にして、十分な休養をとることが大切です。 - 食事の注意
食事は無理に取らず、少しずつ消化の良いもの(おかゆやスープなど)を食べるようにします。
子どもの下痢や嘔吐は、ウイルス性胃腸炎や食中毒、アレルギー反応、感染症、ストレスなど、さまざまな原因で起こります。これらの症状が現れたときは、適切なケアを行い、症状が長引く場合や、非常に激しい症状が見られる場合は、小児科医に相談してください。しっかりと対処して、早く元気になるようにしましょう。
鼻水・鼻づまり
子どもの鼻水、鼻づまりの原因となる病気は?
鼻水や鼻づまりは、風邪をひいたときやアレルギーがあるときによく起こる症状です。鼻水が出るとティッシュをたくさん使ったり、鼻が詰まると息がしにくくなったりして、学校や遊びに集中できなくなってしまうこともあります。
鼻水や鼻づまりの原因となる病気や状態について紹介します。
風邪・鼻風邪
風邪は鼻水や鼻づまりの一番よくある原因です。風邪をひくと、体がウイルスと戦うために鼻水がたくさん出ます。鼻水は最初は透明ですが、だんだん黄色や緑色になることがあります。風邪をひくと、他にも咳や喉の痛み、熱が出ることもあります。
アレルギー性鼻炎(アレルギーせいびえん)
花粉やホコリ、ペットの毛などに体が過敏に反応してしまうことから起こります。アレルギーが原因の場合、透明な鼻水がたくさん出たり、鼻がムズムズしてくしゃみが出たりします。特に春や秋に症状が悪化することが多いです。
副鼻腔炎(ふくびくうえん)
鼻の奥にある副鼻腔という空洞が炎症を起こす病気です。風邪が長引いたり、細菌感染が加わると起こります。副鼻腔炎になると、鼻水が黄色や緑色になり、頭が痛くなったり、顔が重く感じたりすることがあります。
異物(いぶつ)
小さい子どもが鼻に小さな物を入れてしまうことがあります。それが原因で、鼻水や鼻づまりが起こる場合があります。もし、片方の鼻だけから鼻水が出たり、悪臭がする場合は、鼻の中に異物が入っているかもしれません。なるべく早めに受診して、診察してもらいましょう。
長引く鼻水・鼻づまりの症状は当院へ
鼻水や鼻づまりは、風邪、アレルギー、副鼻腔炎、異物など、さまざまな原因で起こります。これらの症状が続いたり、他の症状(例えば熱や顔の痛みなど)がある場合は、病院で診てもらうことが大切です。
家でできるケアとしては、鼻を優しくかむことや、鼻を洗うことがありますが、しっかり治すためには医師の診察が必要です。
耳の痛み
子どもが耳を痛がるときに考えられる原因は?
耳の痛み(耳痛)は、子どもがよく訴える症状の一つです。耳が痛いと、とても不快で辛い気持ちになります。耳の痛みにはいくつかの原因があり、それぞれ対処法が異なります。主な原因をいくつか紹介します。
中耳炎(ちゅうじえん)
中耳炎は、耳の中にある「中耳」という部分が炎症を起こす病気です。中耳炎は子どもに多く見られ、風邪や鼻の病気が原因で、耳にばい菌が入ることをきっかけに発症することがあります。
中耳炎の症状としては、耳の痛みのほかに、耳から膿が出たり、聞こえが悪くなったり、熱が出たりすることがあります。
外耳炎(がいじえん)
耳の外側や穴の周囲部分を外耳といいます。外耳炎はここに炎症が起こる病気です。外耳炎の症状には、耳の痛みやかゆみ、耳の穴が腫れて痛くなることがあります。
耳を引っ掻いたり、耳掃除をしすぎて耳の中を傷つけてしまうことで、ばい菌が入り、外耳炎になることがあります。また、水泳などで耳に水が入ったままにしておくと、ばい菌が増えることがあります。プール等の授業が始まった際は、注意しましょう。
耳垢(みみあか)
耳の中に耳垢がたまりすぎたり、耳掃除をきっかけに耳が痛くなることがあります。耳垢自体が原因で耳の痛みが出ることは比較的少ないですが、耳掃除をしすぎて耳を傷つけてしまうと、炎症を起こして痛くなることがあります。耳垢が気になる場合は、小児科や耳鼻科を受診して、安全な状態で耳掃除をしてもらいましょう。
風邪(喉の痛みと併発した症状)
風邪をひいたときに、喉が痛くなり、その痛みが耳にも広がることがあります。これは、耳と喉がつながっているためです。風邪をひいたときは、喉や耳の両方が痛くなることがありますので、長引く場合は早めに受診しましょう。
耳のケガ(外傷)
子どもが耳をぶつけたり、引っ掻いたりすると、腫れたり内出血を起こしたりすることがあります。不衛生な手で触ったりすると、ばい菌が入って症状が悪化することもありますので、注意しましょう。
保護者の方へのアドバイス
お子さんが耳を痛がるときは、次のことに気をつけてください。
- 耳を清潔に保つ
過度な耳掃除には注意しましょう。皮膚を傷つける原因になります。 - 耳を温める
暖かいタオルを耳に当てると、痛みが和らぐことがあります。 - 受診の目安
痛みがひどかったり、長引いたりする場合は、すぐに小児科医や耳鼻科医に相談しましょう。
子どもが耳を痛がるときは、中耳炎や外耳炎、耳垢のたまりすぎ、風邪、耳のケガなど、さまざまな原因が考えられます。耳の痛みが続く場合や、痛みがひどい場合は、早めに病院で診てもらうことが大切です。正しい対処をして、子どもが早く元気になるようにしましょう。
子どもの血便
心配いらない子ども血便はある?
血便は、便の中に血が混じっている状態のことです。便が赤かったり、黒っぽかったりすると、血が混じっているかもしれません。中には心配いらない血便もありますが、血便が出たときは、すぐに医師に相談することが大切です。早期に適切な治療を受けることで、子どもの健康を守ることができます。
便の色や形を観察する
血の色が鮮やかな赤か、黒っぽいかを確認します。鮮やかな赤は切れ痔の可能性が高く、黒っぽい場合は消化器の上の方で出血しているかもしれません。
他の症状をチェックする
腹痛、発熱、嘔吐、下痢など、他の症状があるかどうかを確認します。
子どもの血便の原因となる病気
切れ痔(きれじ)
お尻の出口のところに小さな傷ができてしまうことです。便が硬かったり、強くいきんだりすると、お尻が切れて血が出ることがあります。切れ痔の血は、鮮やかな赤色をしています。安静にしていれば治ります。
感染症
細菌やウイルスによる感染症で腸が炎症を起こすと、血便が出ることがあります。食べ物や水を通じて感染することが多いです。例えば、サルモネラ菌やカンピロバクターという細菌が原因です。
アレルギー
食物アレルギーが原因で腸が炎症を起こし、血便が出ることがあります。牛乳や大豆などにアレルギーがある場合、腸が刺激されて血が出ることがあります。
炎症性腸疾患
クローン病や潰瘍性大腸炎(かいようせいだいちょうえん)など、腸が慢性的に炎症を起こす病気があります。これらの病気は、血便のほか、腹痛や下痢を伴うことが多いです。
腸重積(ちょうじゅうせき)
腸の一部が他の部分に入り込んでしまう病気です。これは特に小さな子どもに多く見られます。急にお腹が痛くなり、血便が出ることがあります。腸重積は緊急の治療が必要です。
乳児湿疹
乳児湿疹ってなに?
乳児湿疹(にゅうじしっしん)とは、赤ちゃんの肌に現れる赤いブツブツやかゆみのことです。特に、生まれてから数か月以内に多く見られるため、赤ちゃんを持つお母さんやお父さんにとってはよくある悩みの一つです。
乳児湿疹の主な症状
乳児湿疹の症状はさまざまですが、一般的には以下のようなものがあります。
- 赤いブツブツ
顔や体に小さな赤いブツブツが現れます。特に、ほっぺたやおでこ、耳の後ろによく見られます。 - かゆみ
湿疹がかゆみを伴うことがあり、赤ちゃんがかゆがってぐずることがあります。 - 湿った感じ
湿疹の部分が湿っていることがあります。特に、よだれや汗が原因の場合に多いです。 - カサカサした肌
湿疹が治りかけると、肌がカサカサしてくることがあります。
乳児湿疹の原因
乳児湿疹の原因は一つではなく、いくつかの要因が関わっています。主な原因は次の通りです。
- 皮脂の分泌
赤ちゃんの皮脂腺がまだ発達途中で、多くの皮脂が分泌されることがあります。この皮脂が毛穴に詰まり、炎症を引き起こすことがあります。 - アレルギー
食べ物や環境中のアレルゲン(花粉やホコリなど)に反応して湿疹が出ることがあります。 - 乾燥
赤ちゃんの肌はとてもデリケートで、乾燥しやすいです。乾燥することで、肌のバリア機能が低下し、湿疹ができやすくなります。 - よだれや汗
赤ちゃんはよだれや汗をたくさんかくため、肌が湿った状態が続くことがあります。
これが原因で、湿疹が悪化することもあります。
乳児湿疹なら当院へ
乳児湿疹は赤ちゃんにとってよくある症状で、心配する必要はありませんが、適切なケアが大切です。赤ちゃんの肌を清潔に保ち、保湿をしっかり行うことが重要です。また、湿疹がひどくなったり、長引いたりする場合は、小児科医に相談してみてください。適切な治療とケアを行うことで、赤ちゃんの肌は健康を取り戻すことができます。
食物アレルギー
食物アレルギーは、特定の食べ物を食べたときに、体が過剰に反応してしまう病気です。体の免疫システムが、その食べ物を「体に悪いもの」と勘違いして、攻撃しようとするためにいろいろな症状が出ます。このアレルギーは遺伝や環境などが関係していると考えられています。
どんな食べ物が食物アレルギーの原因になる?
食物アレルギーを引き起こす食べ物はたくさんありますが、特によくあるのは次のようなものです。
食品 | 要因 |
---|---|
卵 |
卵の白身や黄身に含まれるたんぱく質がアレルギーの原因になります。 |
牛乳 |
牛乳や乳製品に含まれるたんぱく質が原因です。 |
小麦 |
小麦に含まれるグルテンという成分がアレルギーを引き起こすことがあります。 |
大豆 |
大豆や大豆製品が原因です。 |
魚やエビ、カニ |
魚介類に含まれるたんぱく質がアレルギーを引き起こします。 ### |
食物アレルギーはどんな症状が出る?
食物アレルギーの症状は、人によってさまざまですが、次のようなものがあります。
皮膚の症状
かゆみや赤いブツブツ、じんましんなどが出ます。
消化器の症状
お腹が痛くなったり、下痢(げり)や嘔吐(おうと)をすることがあります。
呼吸器の症状
せきやくしゃみ、息苦しさなどが現れます。
全身の症状
アナフィラキシーショックという、全身に強いアレルギー反応が出ることがあります。これは非常に危険で、すぐに病院に行く必要があります。
食物アレルギーには特効薬はありませんが、症状を和らげたり、発症を防ぐためにいくつかの方法があります。まずはアレルギーを引き起こす食べ物を避けることが最も大切です。ただ除去が過剰にならないように、必要最小限の除去を心がけます。
食べ物の成分表示をよく確認し、アレルゲンが含まれていないか確認します。アレルギー反応が出たときは、医師の指示のもとでお薬の使用を検討します。抗ヒスタミン薬や、アナフィラキシーショックの場合はエピペンという注射薬を使います。
定期的に受診して医師の診察を受け、アレルギーの管理方法を学んでいくことも大切です。新しい食べ物を試すときは、少しずつ始めて様子を見ましょう。また家族にアレルギーをもつ人がいる場合は特に注意が必要です。
学校や保育園等には、アレルギーがあることを伝え、給食やおやつに注意してもらいましょう。
ぜんそく
喘息(ぜんそく)は、子どもの気道(空気が通る道)が炎症を起こして、狭くなってしまう病気です。気道が狭くなると、息をするのが苦しくなって、ヒューヒューと音がしたり、咳(せき)が出たりします。
ぜんそくの原因
喘息は、アレルギーが原因でなることが多いです。例えば、ホコリや花粉、ペットの毛などに体が反応して気道が狭くなります。また、風邪をひいたり、運動をしたりすると発作(ほっさ)が起こることもあります。さらに、寒い空気を吸うことや、強い感情(怒ったり、泣いたり)も喘息の原因になることがあります。
ぜんそくの症状
夜や朝に咳が出ることが多いです。運動した後にも咳が出ることがあります。 また、息をするのが苦しくなります。特に、息を吐くときにヒューヒューという音が聞こえます。胸の圧迫感(胸が締め付けられる感じ)を訴える患者さんも多いです。
ぜんそくの治療
喘息は、完全に治すのは難しいですが、症状を和らげたり、発作を防ぐためにいくつかの方法があります。
吸入薬(きゅうにゅうやく)という薬を使って、直接気道に薬を届ける方法があります。この薬は、発作が起こったときにすぐ使う「救急薬」と、毎日使って発作を防ぐ「予防薬」があります。
その他にも家の中を清潔に保ち、ホコリやペットの毛を減らすよう心掛けることで、発症リスクを軽減できます。また、花粉が多い時期には、外出を控えることも大切です。
適度な運動は、体を強くして喘息を予防するのに役立ちます。ただし、運動の前には必ず医師と相談して、安全な方法で行いましょう。
十分な睡眠をとり、バランスの取れた食事をすることもが重要です。風邪をひかないように手洗いやうがいをしっかり行い、体調を整えましょう。
アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎は、皮膚が赤くなったり、かゆくなったりする病気です。特に、赤ちゃんや小さな子どもによく見られます。この病気は、皮膚がとても敏感で、乾燥しやすく、少しの刺激でもかゆみや炎症が起こりやすいのが特徴です。
アトピー性皮膚炎の原因とリスク因子
アトピー性皮膚炎の発症原因は一つではなく、いくつかの要因が関わっています。例えば家族にアトピー性皮膚炎やアレルギーのある人がいる場合、かかりやすくなります。
また、ホコリやダニ、花粉、動物の毛などが皮膚に刺激を与えて、症状が悪化することがあります。皮膚のバリア機能が弱いため、乾燥しやすく、外からの刺激に弱いです。
アトピー性皮膚炎の症状
赤い湿疹
皮膚が赤くなり、かゆみを伴います。特に、顔や首、肘(ひじ)や膝(ひざ)の裏側によく見られます。
乾燥
皮膚が乾燥してカサカサになることがあります。
かゆみ
強いかゆみがあり、掻く(かく)ことでさらに悪化します。
皮膚が厚くなる
長い間かゆみが続くと、皮膚が厚くなったり、ゴワゴワした感じになります。
アトピー性皮膚炎の治療
特効薬はありませんが、症状を和らげるためにいくつかの方法があります。
- 保湿
皮膚を乾燥から守るために、毎日保湿クリームを塗ります。お風呂上がりや洗顔後に塗ると効果的です。 - 薬を使う
症状がひどい場合は、ステロイド薬や非ステロイド薬を使って炎症を抑えます。医師の指示に従って、適切に使用しましょう。掻きむしらないように、爪を短く切っておくことも大切です。 - 環境を整える
部屋を清潔に保ち、ホコリやダニを減らすようにします。また、アレルゲンとなる動物の毛や花粉を避けることも大切です。
アトピー性皮膚炎の予防
- 皮膚のケア
毎日の保湿を心がけ、皮膚を乾燥から守ります。 - 適切な入浴
長時間の入浴や熱いお湯は避け、ぬるめのお湯で短時間にします。洗浄料も優しいものを使いましょう。 - 適度な温度と湿度
部屋の温度や湿度を適切に保ち、皮膚に負担をかけないようにします。
アトピー性皮膚炎は遺伝や環境、皮膚のバリア機能の低下が原因で起こります。保湿や薬の使用、環境の整備などで症状を和らげることができます。正しいケアと医師の指導で、アトピー性皮膚炎と向き合う時間をつくりましょう。
アレルギー性鼻炎・花粉症
体が特定の物質に対して過敏に反応してしまうことをアレルギーといいます。アレルギー性鼻炎は、アレルギーの影響を受けて鼻がムズムズしたり、くしゃみが出たり、鼻水がたくさん出たりする病気をです。アレルギーは、その物質が鼻に入ると、体が「これを追い出さなきゃ!」と勘違いして反応するため、いろいろな症状が出ます。
アレルギー性鼻炎の原因となる花粉
春や秋になると、スギやヒノキ、ブタクサなどの植物が花粉を飛ばします。この花粉が鼻に入ると、体が反応して、くしゃみや鼻水などの症状が出ます。これがアレルギー性鼻炎の代表格である花粉症です。
そのほかにも、家の中のホコリやダニが原因でアレルギーを引き起こすことがあります。犬や猫などのペットを飼っている家庭では、ペットの毛やフケがアレルゲンとなり、アレルギー反応を引き起こすことがあるため注意しましょう。
アレルギー性鼻炎や花粉症の治療
特効薬はありませんが、症状を和らげるためにいくつかの方法があります。
まずはアレルゲンを徹底して避けることが重要です。花粉が飛ぶ季節には、外出を控えたり、マスクをつけたりします。家の中では、こまめに掃除をしてハウスダストを減らすようにしましょう。花粉が多い時期には、洗濯物を外に干すのではなく、なるべく室内に干すようにすると効果的です。
症状がひどい場合は、医師から処方されたアレルギー薬を使うことで、症状を和らげることができます。市販の薬もありますが、使う前に医師や薬剤師に相談しましょう。
手足口病
手足口病は名前の通り、手や足、口の中にブツブツや水ぶくれができるのが特徴です。手足口病はエンテロウイルスというウイルスが手や口、鼻から体の中に入ることで感染します。感染した人のくしゃみや咳、または、ウイルスがついたおもちゃやドアノブを触ることで広がることが多いです。感染しやすいので、保育園や学校で流行することがあります。夏から秋にかけて特に流行することが多いため、注意が必要です。
手足口病の症状
手や足のブツブツ
手のひらや足の裏、膝やお尻に赤いブツブツや水ぶくれができます。また、かゆみを伴うことがあります。
口の中の痛み
口の中、特に舌や頬の内側に小さな水ぶくれや潰瘍(かいよう)ができます。これが痛くて、ご飯を食べるのが難しくなることもあります。
発熱
熱が出ることがありますが、通常は高熱ではなく、数日で下がります。
だるさや食欲不振
病気の初めには、だるさや食欲がなくなることもあります。
手足口病の治療
手足口病には特効薬はありませんが、症状を和らげるためにいくつかの方法があります。
まずはしっかりと水分補給をすることです。口の中が痛くて食べられないことがあるので、水分をたくさん摂るようにしましょう。冷たい飲み物やアイスクリームなどが良いです。また体を休めることがとても大切です。無理せず、ゆっくりと過ごしましょう。
口の中の痛みがひどい場合は、受診して医師に相談しましょう。痛み止め薬を検討することもあります。
手足口病を予防するために
外から帰ってきたら、石鹸でよく手を洗うことが大切です。特に食事の前やトイレの後には、しっかり手を洗いましょう。また、おもちゃや身の回りのものを定期的に消毒するようにしてください。
手足口病にかかったら、学校や保育園を休んで、他の人にうつさないようにしましょう。
予防接種
子どもの予防接種は、病気にかからないようにするため(または重篤化を防ぐため)の注射です。ワクチンを体に入れることで、免疫力(病気と戦う力)をつけます。これにより、重い病気や感染症にかかりにくくなり、かかっても軽く済むようになります。
予防接種は、定期接種(必ず受けるもの)と任意接種(希望する場合に受けるもの)があり、それぞれの予防接種は医師と相談して計画的に受けることが大切です。
子どもの任意予防接種
任意予防接種は、病気にかからないように予防するための注射ですが、みんなが必ず受けなければならないわけではありません。保護者の方が希望する場合に受けることができます。
当院では以下の任意予防接種を受けることができます。
インフルエンザワクチン
インフルエンザは、毎年冬に流行するウイルスの病気です。高い熱やせき、体の痛みが出ることがあります。インフルエンザの予防接種を受けると、かかりにくくなったり、かかっても軽く済んだりします。
おたふく風邪(流行性耳下腺炎)
おたふく風邪は、ほっぺたや顎の下が腫れて痛くなる病気です。予防接種を受けることで、感染を防ぐことができます。
子どもの定期予防接種
- BCG(結核予防)
- ロタウイルス
- B型肝炎
- ヒブワクチン
- 小児用肺炎球菌ワクチン
- 5種混合ワクチン(ジフテリア・百日咳・破傷風・ポリオ・ヒブ)
- 4種混合ワクチン(ジフテリア・百日咳・破傷風・ポリオ)
- 麻しん・風しん混合(MR)
- 水痘ワクチン
- 日本脳炎
- 子宮頸がん予防ワクチン
各ワクチンの詳細は、利府町のホームページをご覧ください。
乳幼児健診
乳幼児健診は、赤ちゃんや小さな子どもの健康をチェックするための大切な機会です。医師が定期的に体や心の発育を確認し、成長が順調かどうかを確認します。定期的に健診を受けることで、もし何か問題があっても早く見つけて対処することができます。
お母さんやお父さんも、お子さんの成長と向き合うことで、安心して育児ができるようになります。健診の日には、お子さんと一緒に楽しみながらお出かけしましょう。
体や心の発育を確認
赤ちゃんの身長や体重を測って、成長が順調かどうかを確認します。また、耳や目、心臓、肺など、体のいろいろな部分を調べます。赤ちゃんが年齢に応じた動きや反応ができるかを確認します。例えば、首がすわっているか、手を使って遊べるか、音に反応するかなどです。
予防接種の確認
予防接種は、病気から赤ちゃんを守るためにとても重要です。必要な予防接種がきちんと受けられているかを確認します。次の予防接種の予定を改めて確認しておきましょう。
育児のアドバイス
お母さんやお父さんが育児で困っていることや心配なことを相談できます。例えば、食事のこと、寝かしつけのこと、遊び方など、気になることは遠慮なくお話してください。